ここでは。コース内の障害物についての説明と障害物が影響した時の対処法について『ルール』『エチケット』『マナー』の観点より解説しています。そのままではボールを打つ事の出来ない状況になった時、これを読めばそんな時も迷わずにプレーできるようになります。
目次
【障害物について】
障害物とは人工物で「動かせる障害物」と「動かせない障害物」とに分けられます。
常識的な労力で、その障害物やコースを傷つけずに動かす事の出来るものは「動かせる障害物」でそれ以外は「動かせない障害物」になります。
『動かせる障害物』
罰無しに取り除く事が出来ます。
動かせる障害物は、コース上やコース外のどこにあってもペナルティなしで取り除くことができ、その方法は自由です。
取り除く際にボールが動いても罰は無く、そのボールはリプレースされなければなりません。
ボールが障害物の上や中にある時は、ボールを拾い上げて、そのボールの真下地点を基点にして1クラブレングスの「救済エリア」にドロップ(グリーンはプレース)して、罰無しの救済を受ける事が出来ます。
また、拾い上げたボールは拭く事が出来ます。
例)抜かれたピン、バンカーレーキ、青杭、赤杭、黄杭、空き缶、ティー、ヤーデージ杭、スコアカード、等
『動かせない障害物』
罰無しに救済されます
スタンスやスイングの妨げになる場合は罰無しに救済されます。
【レーキに止まったボールを救済で拾い上げた】
いかがですか?これはいささかひっかけ問題のような気がしますが。
『ルール』
競技ですと
1打罰でリプレース
レーキは動かせる障害物ですので、まずはレーキを先に取り除けば罰はありませんでした。
レーキを動かした際にボールが動いたとしても罰無しでリプレースできます。
うっかり拾い上げないように気をつけましょう。
『エチケット』『マナー』
さてプライベートの時はどうでしょうか?
ここはルール通り必ず手順に従って処置していきましょう。
たとえ、バンカーレーキを動かした場合ボールが動きそうだからといって、先にボールを拾い上げる事はマナー違反となります。
動いたとしても無罰でリプレースできるのですから、面倒くさくてバンカーレーキを動かす事を省いてはいけません。
いただきます、を言わずに食事を始めるくらいのインパクトです。
【ボールが排水溝の中で止まった】
水のないU字溝だが「動かせない障害物」としての救済を受けてプレーした
『ルール』
競技中ですと
罰無しで救済のドロップ
U字溝はペナルティエリアですが、ローカルルールによって「動かせない障害物」に指定されているケースが多いです。
赤や黄色の杭がなければ「動かせない障害物」で、罰無しで救済のドロップがOKです。
ジェネラルエリアにおいて、動かせない障害物からの救済方法は、罰無しでボールを拾い上げ、ホールに近づかず、その障害を避けてクラブがふれる、元のボールに最も近い地点に救済のニアレストポイントを決めます。
基点と同じジェネラルエリア内で基点から1クラブレングス以内で、基点からホールに近づかない救済エリアにボールをドロップします。
カート道の処置と同じですね。
『エチケット』『マナー』
プライベートではどうでしょうか?
もうお分かりですね。
同伴者の了解を得て「元の場所に最も近い、ホールに近づかない、打ちやすい地点」に誠実にプレース
で大丈夫です。
【排水溝の救済のとき、ニューボールにとりかえた】
排水溝やマンホール、スプリンクラーにボールがかかっていて、ボールの表面に傷がついていた。
気分転換も含めて新しいボールにとりかえてドロップした。
『ルール』
競技中ですと
罰無しでそのままプレー
2019年の新ルールから「ドロップをする救済を受ける時はいつでも別のボールに交換できる」ことになりました。
積極的に利用したいものですね
『エチケット』『マナー』
プライベートではどうでしょうか?
ルールと同じ処置でOKです。
レベル的にボールの違いがショットに影響はないと思われるかもしれませんが、気づかないだけで実際には影響しています。
せっかくのルールなのですから、上手く利用したいところですが、もし、そこからのショットがOBやロストの可能性があるのであれば、反対に無くしても良いボールに替えて、不安なく思いっ切りショットするのも一つの手かもしれませんね。
【砂利道の砂利を取り除いた】
『ルール』
競技中ですと
罰無しでそのままプレー
砂利で覆われた道路は「動かせない障害物」なので、ボールのライやスタンス、意図するスイング区域の障害となる場合は、罰無しに救済されます。
救済エリア周辺が深いラフなどで救済が難しい場合は、そのままプレーしてもOKで、砂利はルースインペディメントなので、いつでも取り除いてプレーする事が出来ます。
ただし、砂利を取り除くときにボールを動かしてしまうと1打罰を受けてリプレースになります。
『エチケット』『マナー』
プライベートの場合はどうでしょうか?
このケースですと、砂利道のまわりに救済できるポイントがなくて砂利道からのプレーを余儀なくされるのですが、ここでも
同伴者の了解を得て「元の場所に最も近い、ホールに近づかない、打ちやすい地点」に誠実にプレース
を実施します、それが例えフェアウェイであるのならばそこを選択するのが良いでしょう。
プロが砂利道やカート道路の上からショットをするシーンを見る事があると思いますが、あれはプロのレベルだから可能なお話です。
アマチュアがそんなライからショットを打つ事は危険ですし、クラブも傷つけてしまいます。
あるがままのプレーが基本ですが、それは「安心・安全」が担保されて初めて存在するという事を憶えておきましょう。
【木の枝のボールを打つとき、スタンスがカート道にかかる】
『ルール』
競技中ですと
罰無しで救済を受けてプレー
プレーヤーは動かせない障害物からの救済を受ける事が出来ます。
この場合の動かせない障害物とはカート道の事であり、ボールの真下の地点にマークしてカート道路にスタンスがかからないで、ホールに近づかない救済のニアレストポイントから1クラブレングス以内の救済エリアにドロップします。
もしスタンスがカート道にかからない場合は、救済は受けられず、そのまま打つ事になりますし、アンプレアブルを宣言する事になります。
ルール上ではあるがままで公平性を保ちプレーしなければなりません。
『エチケット』『マナー』
プライベートではどうでしょうか?
スタンスがカート道にかかるのならルール通り救済を受けて処置します。
カート道にスタンスがかからない場合は、天下の宝刀
同伴者の了解を得て「元の場所に最も近い、ホールに近づかない、打ちやすい地点」に誠実にプレース
を使いましょう。
砂利道の時と同様、木の枝にあるボールを打つような危険なプレーは上級者になってからするようにしましょう。
中級者であればアンプレアブルでも良いでしょう。
プレーヤーのレベルに合わせて対処の仕方も変えるのが良いでしょう。
【障害物がプレッシャーになる、救済はあるのか?】
『ルール』
競技中ですと
救済は受けられません
スタンスやストロークに障害がなければ、気になるだけでは救済は受けられません。
ただし、その「気になる」障害物が同伴者のボールの場合は救済を受けられます。
『エチケット』『マナー』
プライベートではどうでしょうか?
基本的にルール通りで良いかと思います。
ただし、全くというわけではなく、障害物がボールとターゲットとの間にあって、ショットをした時に当たる可能性があるという場合は、そこをさけてボールを打ちやすい地点からプレーしても良いかと思います。
気になる場合はその理由をしっかりと同伴者に伝えて、それならばOKだと了解を得られたら救済を受けても良いかと思います。
そこは自分自身の判断でも構いません。
レベルが上がり、「障害物の右からドローで攻める」、「障害物の左からフェードで攻める」、「障害物の上を越える高い球で攻める」とかの戦略が出来るようになったらチャレンジするのもゴルフの楽しみの一つですので、やってみても良いでしょう。
【OBフェンスが邪魔なので障害物からの救済を受けてプレー】
スタンスをとろうとすると、OBフェンスに腰があたり、しかもテークバックでクラブがうまく振れない。
『ルール』
競技ですと
2打罰でそのままプレー
OBの白杭はコースの境界を決めるもので、OB杭の外側に隣接するOBフェンスは障害物ではなく「境界物」になります。
OBの境界は上下に及ぶので、ボールがセーフでフェンスが邪魔になるからといって救済は受けられません。
このケースは、あるがままにプレーするか、アンプレアブルを宣言するしか方法はありません。
勝手にボールを拾い上げ、リプレースしないでドロップしてプレーすると2打罰を受けます。
『エチケット』『マナー』
プライベートではどうでしょうか?
これは以前、OBライン上にボールがのったときの対処法でもお話ししましたが、この場合は特に、天下の宝刀
同伴者の了解を得て「元の場所に最も近い、ホールに近づかない、打ちやすい地点」に誠実にプレース
を実施しましょう。
OBフェンスは、その場所がそのままではボールが外に出たり、コース外から害獣が侵入したりする事を防ぐために設置されています。
プレーをするには大変困難な場所でもあります。
そんな難しいところから無理にプレーする事は危険も伴いますので、絶対に避けましょう。
プロでもアンプレアブルを選択するケースが多いところですから。
【防護ネットにボールが止まった】
『ルール』
競技ですと
罰無しで救済のドロップ
防護ネットとはOB杭の内側にあり、これは動かせない障害物になります。
ここにボールが止まった時は救済が受けられます。
罰無しでボールを拾い上げ、その障害を避けられ、クラブが振れ、ホールに近づかない地点に救済のニアレストポイントを決めます。基点から1クラブレングス以内の救済エリアにボールをドロップします。
『エチケット』『マナー』
プライベートではどうでしょうか?
ルール通りの処置で大丈夫かと思いますが、先程お話しましたOBフェンスと同様、ネットがある場所というのは、斜面であったりプレーするには大変難しい場所ですので、
天下の宝刀を使いプレーする事をお勧めします。
【まとめ】
『ルール』 | 『エチケット』『マナー』 | |
【レーキに止まったボールを救済で拾い上げた】 | 1打罰でリプレース
|
必ずレーキを先に動かす |
【ボールが排水溝の中で止まった】 | 罰無しで救済のドロップ
|
同伴者の了解を得て「元の場所に最も近い、ホールに近づかない、打ちやすい地点」に誠実にプレース |
【排水溝の救済のとき、ニューボールにとりかえた】 | 罰無しでそのままプレー
|
次のショットを考えて適正なボールを使う |
【砂利道の砂利を取り除いた】 | ・罰無しでそのままプレー
・その際にボールが動いたら1打罰でリプレース |
難しく危険なライでは無理にショットをしない |
【木の枝のボールを打つとき、スタンスがカート道にかかる】 | 罰無しで救済を受けてプレー
|
自分のレベルに合わせたプレーを心がける |
【障害物がプレッシャーになる、救済はあるのか?】 | 救済は受けられません
|
自分のレベルに合わせたプレーを心がける |
【OBフェンスが邪魔なので障害物からの救済を受けてプレー】 | 2打罰でそのままプレー
|
同伴者の了解を得て「元の場所に最も近い、ホールに近づかない、打ちやすい地点」に誠実にプレース |
【防護ネットにボールが止まった】 | 罰無しで救済のドロップ
|
同伴者の了解を得て「元の場所に最も近い、ホールに近づかない、打ちやすい地点」に誠実にプレース |
いかがですか?
コース内には大きく4つの障害物があります。
「自然の物」で「動かせる物」、「動かせない物」
「人工の物」で「動かせる物」、「動かせない物」
それぞれで対応の仕方が変わるという事ですね。
処置の仕方で厳しい順に
「自然物で動かせない」>「自然物で動かせる」>「人工物で動かせない」>「人工物で動かせる」
という感じでしょうか。
障害物ですので、そのままプレーするには危険な場合もありますので、処置をした後でもショットをする際には十分に気をつけてプレーするようにしましょう。
それでは今日も素敵なゴルフライフを!
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