ゴルフ場と口コミについて

元ゴルフ場支配人の独り言

ここではゴルフ場と口コミについて、口コミを書く側と書かれる側の両方の視点から私見を述べています
現代社会において、口コミの影響力は以前に比べてかなり大きくなっていると思われます。
特にNet上で商品を購入する際には、事前にその商品を購入して利用した人の口コミを参考にする事で、より快適な買い物が出来ます。
しかし、口コミは快適な購買活動のサポートだけではなくプラスにもマイナスにもなる要素を含んでいます。
これから私達はこの口コミとどう付き合っていかなければならないのか?
考えてみたいと思います。

目次

口コミについて

まず、口コミ自体について考えてみましょう。
「口コミ」をNetで調べてみると口頭でのコミュニケーション」の略で「マスコミ」との対比で生まれた言葉であるという事です。
物事の評判などに関する噂の事で本来は小規模なコミュニティ上のものであったがネットの普及によりその影響力が大きくなったとのことです。
確かに、

ネットが普及する前の口コミというと、ごく一部の小さなエリアでの噂話というイメージで、言葉の如く、人の口から口へと伝わっていくものでした。

それゆえに、例えば沖縄での口コミが北海道まで伝わるのには長い時間がかかるものでしたし、その影響力は小さいものでした。
加えて、事の信憑性も低く、伝わる過程で面白おかしく、話が足されたり引かれたりして、話が大きくも小さくもなったりしたものです。

結果的に伝わる頃には都市伝説のような話になり、ドラマ仕立てのような面白さになったりもしていた事を思い出します。

一方で、文章にして伝えることにはこのような弊害がないような気がします
昔からテレビも新聞もあり、世の中で起きている事を比較的早くに私たちは認識することが出来ていました。
しかし、それも一部の人たちのみのフィルターを通しての情報であり、今の口コミのような一般の人たちの主観的な意見を加えた情報とは違っていたように思われます。

ネットが普及する前から口コミという言葉はありましたし、私たちは普通にそれを発信したり受信したりしてきました。
ですが、いまや口コミ自体の姿や形が変化しており、以前よりもその影響力は大きくなってきています。
そして、誰でも、いつでも、簡単に発信受信できるようになり、素早く広範囲で大量にその情報が交換できる時代になってきています。

そんな時代に生きる私たちが口コミを利用する際には慎重に冷静に口コミの内容を判断する必要があるのではないかと考えています。

 

人は何故口コミに投稿するのか?

さて、実際に口コミを発信する人の心境について考えてみましょう。

・対象に満足している

この場合のコメントは見ても聞いても心地いいものです。
満足したコメントを発する人は、その対象を選んで正解だったと感じています。
そして、

自分が感じた喜びや成功体験をみんなに共有したいと考えています

そんなコメントを書かれた商品は当然プラスのイメージだし売れ行きもアップするでしょう。
そんな効果を意識してか、サクラみたいな人が必要以上に商品を評価するコメントを投稿する事で販売促進に繋げるという不正も行われたりもしています。
私も一度ネットで購入した商品がとても良く、嬉しくてレビューを投稿した事があります。

さて、ここで、ゴルフ場に対する口コミについて考えてみましょう。

ゴルフ場でプレーをした後に良いレビューを書き込む人は、その日のゴルフ場での1日がとても快適で、満足しています。

そこでのゴルフプレーという商品価値を高く評価しています。
他のゴルフ場との比較や、これまでのプレーとの比較を通して良いイメージを持っています。
そんなプラスのコメントを投稿するとこはメリットばかりがあるわけではありません。
良いコメントをする事で、そのゴルフ場の評判が上がり、お客様が増える、そんな事になったら、自分の気に入ったゴルフ場が混んでしまう事になります。
予約サイトによっては口コミを投稿する事でポイントを付与するというサービスを行い、口コミを推奨するところもあります。
口コミを投稿する際には評価ポイントもつける事ができて、その総合ポイントをみてゴルフ場選びの参考にする事があります。

良い評価を受けたゴルフ場としては嬉しい事ではありますが、プレッシャーに感じる事もあります。

総合評価ポイントが上がったり下がったりする度に一喜一憂したりするものです。

 

ユーザーからすると良い評価を見て期待値が大きくなったところで、実際にはそうでもなかったという経験をする事もあります。

実際の評価ポイントはその人の主観的な意見であるという事なので、決して自分には当てはまらないという事です。
良いコメントに対しては過度に期待しない方が良いでしょう。

・対象に不満がある

では、逆に悪いイメージを持った人のコメントについて考えてみましょう

口コミと言えばこちらの方が多いのではないでしょうか?

いわゆるクレームと言われるもので、その対象に関する個人的な不平不満を忌憚なく、時には辛辣に書き込んでいます。
そこには、なんとかして欲しいという前向きな希望や、自分が不快な思いをさせられた事に対する抗議なのどの意味も含まれています。
ここで、冷静に考えたい事は、

そのような口コミを投稿するに至った経緯を想像してみる事だと思います。

 

そこに書かれている事が客観的な事実であるのならば、それが事実なのかどうか?自分で確かめられるのであれば確かめてみる事だと思います。

 

主観的な意見であれば、自分が同じように感じるのか?同じような考え方に至るのかを考えてみる事が大切でしょう。
明らかに個人を名指しして誹謗や中傷するような事を書いている場合には注意が必要でしょう。

ゴルフ場における悪い口コミはまた、良い口コミとは逆にハードルを下げるというメリットもあります。
ゴルフ場に行く前に悪い口コミを見てほとんど期待せずに来場したら、意外とそうではなかったというケースもたくさんあります。

以前の記事(ゴルフ場の選び方)で口コミは70%くらいあてにするのがいいと書いたのはそれが理由です。

・運営側から勧められて

これは、その対象を手にした時に販売元や運営サイトからレビューを求められる事があります。
レビューを書く事でポイントを与えたりする事で、口コミを推進しています。

・レビューを書くことが趣味

口コミを書く事自体、何かの評価をして人に伝える事が趣味な人もいます。
そういう人の口コミは他にも多くの対象を知っているので、かなり精度の高い口コミが期待できます。

・営利目的として

これは先ほど少しだけ言いました、サクラ的な存在で、対象を過大評価(場合によっては虚偽の評価)した口コミを投稿する事によって、その対象を勧めて販売拡大に繋げるケースです。

口コミの及ぼす影響について

さて、次に口コミの及ぼす影響について考えてみましょう。
私たちは、何かの対象を購入または利用しようとする前に、すでにそれらを利用した人の口コミを参考にする事があります。

良い口コミがあれば、背中を押されるような感覚で利用する。
悪い口コミがあれば、利用する事を思いとどまったりします。

ここで、それを利用しようとするその人の気持ちの強さによっては影響は小さくなる場合もあります。

初めから強い意志を持って決めていた場合、口コミを参考にはしますが、それによって結果が変わる事はありません。

恋愛相談をたとえ話にすると、気になる人の噂話を聞いたり人からのアドバイスを一応は受けるけれども、初めから決めていた結果は変わらない。
そんな場合は、良い口コミを見たら、それを選んだ自分を誇れるくらい嬉しくて、勢いよく行動できる。
逆に悪い口コミを見ても、書かれている事にのみ注意するとか、自分の場合はそんな事はないだろうと前向きに解釈するかして、少し勢いは弱くなりますが結局は最初の決断通りに行動します。

口コミが影響をおよぼす範囲は発信者と受信者だけではなく、口コミを投稿された対象そのものにもおよびます。
口コミを投稿された対象は、その口コミによって多かれ少なかれ影響を受けるものです。
特にサービス業を営む現場においてはそのサービス品質についての評価レビューを書かれる事でその後の運営に影響をおよぽす事があります。

良い口コミが書かれたら、それを社内で共有して、スタッフのモチベーションアップに繋げます。
悪い口コミが書かれたら、その内容を吟味して社内で共有し、改善に努め、再発防止につなげます。

悪い口コミも、対象側からすると、捉え方によってはプラスに作用することもあるということなんですね。

また、あるサービス業企業の調査結果はとても興味深いものでした。

口コミの評価が高い事業所と低い事業所との業績分析の比較結果がそこには示されていました。
それによると、口コミの高い事業所は業績が悪く、口コミの悪い事業所は業績が良いという結果でした。
サービス業の実態が垣間見られた内容でした。
質のいいサービスを提供するにはそれなりのコストがかかります。
そのコストを中長期的な戦略として惜しまずに投資するのか?
または標準とするサービスを提供するための適正なコストとして認識するのか?
はたまた、それらの逆をいくのか?

そんな内部事情も参考にして口コミを見てみたらどうでしょう。
口コミが悪いところは儲かっていて、良いところは儲かっていないのかもしれません。
全てがそうだとは言えませんが、

その企業が利益と還元、短期的と中長期的、質と量、どちらに重点を置いているのかによって違ってくるものだと思います。

最後に

いかがですか?
口コミに関しては私も嬉しいことも辛いことも経験してきました。
組織の人間も立場によっては考え方も意見も違って当たり前です。
前述したように何より業績を重視する人からすると、口コミが良くても業績が悪ければその事業所は評価されません。

内容にもよりますが、悪い口コミを書かれていても内情を知っている人からすると、現場では頑張っていると評価されたりするものです。

口コミや書き込みを受ける側は、それだけ注目されているという事になります。
私も一度個人名で悪い書き込みをされた事があります。
弁護士に相談してみると、ゴルフ場の支配人は公人でもあるので、私人に比べるとプライパシーの保護が少ないとの事で、多少の批判めいたことは致し方ない、みたいな事を言われて、複雑な気分になった事を思い出します。
矢面に立っていろいろと意見される側からするとたまったものではありませんが。
ネットが普及して、私たちは多くの情報を得る事が出来るようになりました。
口コミも身近に利用できるようになった今では便利になった分いろんな人に影響をおよぽす手段を私たちは手に入れたと考えて、

口コミに対しては発信者も受信者も冷静に慎重に取り扱う必要があると思います。

それでは今日も素敵なゴルフライフを!

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