ゴルフ場とクラブハウスについて

元ゴルフ場支配人の独り言

ここではゴルフ場のクラブハウスについて考察しています。
ゴルファーがゴルフ場で過ごす場所は大きくコースとクラブハウスの2つに分かれます。
そんなクラブハウスにはどんな特徴があるのか?
詳しく説明していきます。

目次

クラブハウスとは

そもそもの意味について調べてみると、

「スポーツや娯楽などのクラブで会員の為の諸施設がある建物」

となっています。
これだけをみると、会員がいないゴルフ場にはクラブハウスは必要ないの?と思ってしまいますね。
元々は会員だけが利用出来る空間であり、敷居の高い社交場的な要素が強かったと想像出来ます。
それゆえに

ドレスコードや、所作など、ハウス内ではふさわしくない事は御法度のようなイメージがありました。

ですが、今は高級会員制のクラブは少なくなり、カジュアルなゴルフ場が増えてきました。
その影響で、ひと昔前のクラブハウスと比べると、社交場というより、ゴルフプレー前後の準備をする為の場所という認識が強くなってきているように感じます。

クラブハウスも時代の変化とゴルフ業界環境の変化とともに様変わりしてきています。

また、ネットや広告でゴルフ場を確認する時にコースの写真と合わせてハウスの外観や特徴的な施設などの紹介もあって、そのゴルフ場のシンボリックな役割も担っています。

 

施設の内容

さて、クラブハウスの中にはどんなスペースがあるのでしょうか?
スタンダードなエリアからマニアックなものまで、私の見てきた経験から話していきます。

玄関、車寄せ

ここはホテルと同じくご来場されたお客様をお迎えする場所。
ゴルフ場にはほとんどの方が車で来るので、ここで道具を下ろして、駐車場に車を停めて戻ってくる場所。

プレーヤーがクラブハウスで1番に通過する場所として重要なポイントとも言えます。

フロント

ここはチェックイン、チェックアウトをはじめ、ゴルフ場全般の総合案内所的な役割を担っています。

クローク

ここは玄関でお預かりしたお客様のゴルフクラブやお荷物を一時的にお預かりする場所。
朝の到着からお帰りの際の手渡しまで、間違いのないように管理しています。

専属のスタッフがいるところと無人のところがあります。

ショップ

ここはその日のゴルフプレーで使うボールやティーなどのアイテムやウェアやシューズなどのゴルフに関わる商材を揃えて、お客様に販売しています。

専属のスタッフがいるところと無人でフロントスタッフが兼任しているところもあります。

マスター室

ここはスタート前の準備を整える場所です。
その日、自分がどのコースからどの時間でスタートするのか?コース内の流れがどうなのか?当日のコース状況を把握して、廃車されたカートに乗ってコースに出発する場所です。

 

レストラン

ここはスタート前の朝食やランチタイム、軽食などを楽しむ場所です。
外には綺麗なコースが見えて場所によっては、他のプレーヤーのプレーを見て楽しむ事も出来ます。

 

ロッカールーム

ここはスタート前の着替えや、お風呂に入る前の準備をする場所です。
チェックインの時に渡されたスコアカードホルダーにロッカーキーがついたものがメジャーで、これを使って自分の割り振られた番号のロッカーを開けて使用します。
ロッカーの種類にはダイヤルロック式や指紋認証式のものもあります。

 

トイレ

これはどこにでもある普通のトイレですが、クラブハウスのトイレとしての特徴としてはゴルフシューズを履いてハウス内を移動する事が多いので、滑らないように代理石よりもゴムのような質感の床が多いような気がします。

 

お風呂

これはプレー後の疲れを癒す為の空間ですから、他の大衆浴場と同じく清潔感があり、大きめに作られています。
泉質は温泉であったりなかったり。

サウナや露天風呂があるゴルフ場もあり、楽しめますよ。

コンペルーム

こちらは無論コンペをした時のパーティーで利用する為の部屋になります。

社内での会議、面接会場、メンバーの打ち合せ場所、試食会場、控室、健康診断時の会場、などなど多目的ルームとして使用される事も多いです。

アテストルーム

これは競技の時のスコアをチェックして提出する場所で、壁には過去の優勝者のネームプレートが飾られたりしています。

休憩室

こちらは普通にソファーやテーブルと椅子があったりして、テレビを見たり雑誌や新聞を見たりして空いた時間を過ごす場所になっています。

その他の施設

一般的にはこんなところでしょう。
次に私が経験したマニアックなエリアをご紹介します。

シミュレーションゴルフ

これがあるゴルフ場は良いですよ。
練習としても利用出来ますし、イメージアップの為にも役立ちます。

メンテナンスや維持管理は大変だとは思いますが、お客様には喜ばれますよね。

娯楽室

これは囲碁や将棋やオセロなどが置いていて、好きな人に自由に使ってもらえるスペースになっています。
有料の麻雀ルームがあるゴルフ場もありますよ。

 

マッサージルーム

これは外注で専門の業者がゴルフ場のひと区画を利用して運営しているところがあります。
私の知っているマッサージルームではアロマオイルを使ったマッサージが人気でした。

 

茶室

これは部屋の中でお茶を楽しむ場所のようで、私の知っている茶室はオーナーの趣味で、ほとんどオーナーが個人的に利用していると聞きました。

 

プレスルーム

これは定期的にトーナメントを行うゴルフ場のハウスの中にあり、選手を招いて記者会見出来る専用のスペースがあらかじめ用意されています。

 

能の舞台

これも素敵ですね。
たまに、イベントとして能を披露する事があり、その為の舞台があらかじめ設置されています。

 

BBQスペース

これはレストランスペースのテラス部分で、外の空気を吸いながら専用のテーブルでBBQが出来る施設になります。
暖かくてお天気の良い日には最高のシチュエーションですね。

 

託児所

これは今は少なくなりましたが、ひと昔前はゴルフ場で働く従業員やお客様の小さなお子様達を仕事の間、預かる施設です。
専属の保育士がいたり、滑り台や鉄棒などの子供達が遊べる施設が併設されているところもありました。

 

運転手休憩室

これも今は少なくなりましたが、ゴルフ場までの送迎バスやお客様に頼まれた貸切タクシーのドライバーがお客様がプレーを終わるまでに待機している場所になります。

 

社員食堂

これも従業員の多いいゴルフ場ではよくみる施設ですが、従業員専用の食堂で、一般的な企業の社員食堂と同じようなイメージで、セルフサービスです。

 

カラオケルーム

これを見たのはゴルフ場と宿泊施設が併設されているところでした。
どちらかというと、宿泊客へのサービスなのかもしれません。
営業時間も日中ではなく夜からだったと記憶しています。
ですが、家族でゴルフ場に来てパパはゴルフ、ママと子供達はカラオケというプランも楽しいのではないでしょうか?

 

トレーニングルーム

これまで2か所のゴルフ場で見た事がありました。
一つは今は使われていないものでしたが、バブル絶頂期に会員サービスとして作ったものだと言っていました。
個人的にはゴルフプレーの前後では使用しないかな?と思ったりしています。

 

クラブハウスの意義

さて、最後にクラブハウスの意義について考えてみたいと思います。
私がこの業界で働き始めた頃、他コースの視察に訪れて、いろんな施設を観察していた時に、その時の上司から

「まぁ、ハウスの中でゴルフをするわけではないからね」

と、言われた事があります。
その方はゴルフ場ではコースが1番大切で、ハウスはその次という優先順位だったのでしょう。
確かに、ゴルフ場での1日はコースで過ごす時間が8割以上を占めてます。
ですが、私の経験上、

クラブハウスの印象というものはとても長く記憶に残っているものです。

その特徴的な施設の一つ一つのシーンが鮮明に記憶されているものです。
どこどこのゴルフ場と言われた時に、直ぐにイメージするのがクラブハウスの外観と中の特徴的な施設なのです。
コースはかなりのインパクトを持ってレイアウトされたものや、珍しいものでなければ、他との差別化は難しいものですが、ハウスは違う印象があります。
コースとハウスとの違いは、コースは自然に人が手を加えて作り上げたもの、ハウスはゼロから人が作り上げたもの、と感じる事があります。
そこに、私はロマンを感じるのです。
建築家的な専門知識はありませんが、建築家やクラブ側の個性や意図がそこに反映されているように感じられるものです。

 

【最後に】

いかがですか?
クラブハウスを建てる際には関係するいろんな人達の思いというものがそこには反映されていて、来場する人々を楽しませるものであるという事が感じられたと思います。

それでは今日も素敵なゴルフライフを!

 

 

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