ゴルフ場の施設管理業務について

元ゴルフ場支配人の独り言

ここではゴルフ場における施設管理業務についてお話ししています
私たちは何気なくクラブハウスの中を移動していますが、その動線上では施設管理スタッフによる日々の清掃作業のおかげで、何のストレスもなく過ごす事が出来ています。
そんなあまりスポットライトがあたらないが、とても大切なゴルフ場施設管理業務について説明していきたいと思います。

目次

ゴルフ場施設管理業務について

先ずはゴルフ場施設管理業務について説明しておきましょう。
これは、一般的なビル管理業務と同じような内容で、

主な業務内容は施設の機能を保全する事と、美化を維持する事の2つになります。

具体的にはお風呂のお湯を沸かすための給湯機関連の維持メンテナンス、館内の空調設備や照明器具の管理、トイレ(コース内を含む)の管理、ロッカールームの管理、脱衣所の管理、その他施設内の修繕作業、などなど、その業務内容は多岐にわたります。

これらは、機械や無機質なものを相手にしているので、維持管理するためには常にチェックと調整が必要になります。

これらの作業を毎日効率的に行うためには、設備に対する専門的な知識と経験が必要とされます。
そんな施設管理のスタッフはサービス業の現場においては目立つ存在ではなく、常に縁の下の力持ち的存在なのです。

重要性について

では、次にその重要性についてお話ししておきましょう。

想像してみてください、あなたが有料施設に足を踏み込んだとして、そこの床や壁が汚れている、トイレが汚れている、そんな施設に良い印象は持てないですよね。

サービス業においては特に施設は常に綺麗にしておかなければいけないのです。
それは自分自身も含めた、その施設で過ごす全ての人に対する思いやりなのだと考えるのです

「美化こそ最高のサービス」

というのが私の持論です。
かつて、星野リゾートが運営する施設に宿泊した時の事を事あるごとに思い出します。
施設の敷地内から入った瞬間、全てのシーンにおいてゴミひとつない、汚れもない、清潔で安心安全な空間がそこにはありました。
その時、妻の誕生日で訪れたのですが、私が感じたのは、宿泊施設に対する感謝でした。
妻が喜んでくれている事も勿論ですが、そこを選んだ自分への誇りをも感じたものです。
そして、施設のレイアウトが素敵だという評価ではなく、私たちお客様をお出向かえするにあたり、心を込めて綺麗にしてくれてるスタッフの気持ちが嬉しいと感じたものでした。

スタッフについて

次に、ゴルフ場施設管理業務に従事するスタッフについてお話ししていきましょう。
私がいたゴルフ場では施設管理業務は外注していました。
自分が所属する会社とは別の会社が業務を行っており、業務委託料を支払っていました。
すなわち

施設管理業務を行う会社からすると私たちはクライアントであり、お互いは取引業者であるという認識でした。

その取引業者の従業員であるので、同じクラブハウス内での業務を行う上で、遠慮や忖度などが存在していました。
また、パワーバランスもあり、たまには無理難題を要求する事もあります。
そんな環境の中で私が意識していた事は、施設管理スタッフも自社の従業員同様に接する事でした。

お互いの信頼関係を築く事が大切だと考えていました。

定例会議にも参加してもらい、他のセクションのスタッフとのコミュニケーションも良好に行う事を推奨していました。
しかし、取引業者である以上、業務範囲や委託料等に関しての契約が存在しており、お互いにその契約に則った取引をけじめを持っておこなっていたのでした。

構成はというと、ゴルフ場オペレーションスタッフと比較すると年齢層は高く、施設の維持管理を専門的に行う管理職者が数名と後は清掃担当の方が所属していて、それぞれシフトで日々の業務を行っています。

私の知る限り、清掃担当の方に共通して言える事は「綺麗好き」だという事でした。

また、

「細かい事に気付ける」方というイメージもありました。

職業柄なのか?そもそもの性格なのか?ほとんどの人に共通して言える事のように思われました。
そしてもう一つ、スタッフ面談の際に「仕事は楽しい」と答えてくれる方が多いのもこの仕事の特徴でもあります。

自分がした仕事で周りが綺麗になり、お客様が気持ち良くなってくれる!

そこにやりがいを感じている。
そんなスタッフですから安心して施設管理業務を任せられていました。

マチタスクと内製化について

さて、以前の記事でゴルフ場マルチタスクのお話をさせていただきましたが、今回の施設管理業務については、

まさにマルチタスクの対象として筆頭に挙げられる業務になります

そこには「清掃業務なんて仕事の合間にすれば良い」という思想が会社側にはあるからです。
そもそも、

真の意味でのサービス業、ゴルフ場オペレーションを理解していない人からすると、ゴルフ場での業務自体が何かの片手間に出来る仕事であるという認識があるのは事実です。

人件費を含めたコストカットを1番の優先事項として推し進めているのです。
その、コストカットの中で、施設管理業務の内製化という事が進められているゴルフ場があります。
そこは私が以前勤めていた会社同様、施設管理業務は外注業者に委託していました。
専門の人達に専従者として任せる事で、設備の維持管理も清掃も高いレベルで行う事が出来ていました。

これを自社のスタッフで行うというのですから、間違いなく業務の質としては下がる事になります。

この現象はオペレーションにおいてマルチタスクを行う事でサービスレベルが低下する事と同じで、施設管理業務レベルも低下する事を意味しています。

サービスレベルの低下はお客様からのクレームと信頼失墜を招きますし、施設管理業務においては設備の不具合や、それが起きた時の復旧作業の遅れ、美化を損なうような事態を招く事になります。
「美化こそ最高のサービス」
いずれにしても、マルチタスクによりサービス業としての仕事の質を低下させる結果となります。

最後に

いかがですか?
ゴルフ場に行く際には、そんなところも少し注目してみてください。
施設が綺麗であるという事は、そこの管理者の歓迎の気持ちと感謝の気持ちがこもっているという証拠なのです。

これからのゴルフ場クラブハウスが清潔で安全で綺麗に保たれている事を切に願っています。

それでは今日も素敵なゴルフライフを!

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